錬金術の真理と深淵に至るには枷がある


意味わかんねえタイトルですね。
ライザですライザ。
太ももの錬金術師など数々の性的な部分がピックアップキャラのビジュアルが真っ先にヒットし、日本だけでなく国外のオタクをもゲーム発売前に熱狂させたアレです。

その売り方で大丈夫か?大丈夫だ、問題ない。

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アトリエシリーズをプレイするのは2作目です。マリーを過去にプレイしたことがあるのですがどうも肌に合わなくて一周目で終わってしまったんですよね。確かマルチエンディングでしたよね。非常に作業感が強いゲームだったという印象です。
今回はライザのビジュアルに釣ら・・・・いや、錬金術システムがとても面白そうだったので手を出してみたのですが、いやはや、マリーのアトリエの進化したものとは思えないくらいの別ゲーム。

まず最初のムービーからして胸を主張しまくり。なんのゲームだ。
ライザの姿がフェティシズムの塊なんですよ。
おまけに流石老舗メーカー。キャラのモデリングが素晴らしい。どこかのゲハブログとずぶずぶで出すモノは三流以下の糞メーカーも見習って欲しいくらい。
と、キャラの辺りは皆さんもよくご存知だと思います。ネットで散々言われてますね。
キャラのビジュアルはとても重要ですが何故かシステムに言及されたレビューが少ない。
いつぞや見たどこぞのライザのレビューがTwitterで散々言われていたことの寄せ集めでもったいねえなぁと。そう思うくらいゲームのシステムがとても丁寧に作られています。簡単に言えば導線がわかりやすく遊びやすい。恰もライザからアトリエシリーズをプレイする人を想定しているようにも思えます。

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タオの眼鏡のレンズの部分に注目!表現が細かい

重要なことですがパンツは見えません。CERO:Bなめんなってやつですか。

ライザのアトリエとは

ライザのアトリエはPVで大体解説されてますが田舎の若者が変わらない退屈な日常を脱するために足掻いていた矢先、運命的な出会いをします。その出会いが発端となり悪童3人、ライザは錬金術、タオは古代書物の解読、レントは強くなり北の塔を目指す、それぞれの道に進み始めます。
理解のない大人達を尻目にサブタイトルにある秘密の隠れ家にて各々研鑽するのですが、そんなある日、町を巻き込む騒動に遭遇ます。裏に隠された過去の秘密。世界ではなく、なんとない日常を守るために戦うことになります。

果てなき?錬金術

私がライザをプレイするにあたって、事前情報から「錬金術に傾倒しすぎてストーリーを進めず、最終的に飽きて未クリア」が一番可能性が高く、危惧していました。
MMOで言うと廃職人。冒険やストーリーそっちのけでひたすら職人道を極めるタイプ。FF11では寿司職人で釣り師範でした。
実際錬金術をはじめると面白い。電撃の生放送でプロデューサーが太鼓判を押していただけのことはあります。

錬金術を扱ったゲームではその作業を錬成、精製、合成など様々な形容の仕方がありますがこのゲームにおいては「調合」になります。

錬金術でひとつ調合できるようになると新たなレシピが派生したり、クエストなどのきっかけで新たなレシピを閃いたり。さらには戦闘に使うコアアイテムや装備品などは固有の「効果」の他に材料から引き継ぐ「特性」を付加できるのでほとんど自分オリジナルの性能にすることが出来ます。オーグメントで自分だけのアイテムにカスタマイズって奴ですね。

序盤はどんどんレシピが解放されていき本当に錬金術にハマっていきます。恐らくこれを想定したのでしょうが、本当にやめ時が見つからない!
これでは錬金術で遊んでいるだけで終わってしまう。
しかしさすがは物作り系RPGを生み出してきたガスト。私のようなプレイヤーがいることを把握しているのでしょう。一定のレシピに到達するとまだ見ない材料が必要になり、ストーリーを進めざるを得なくなります。
ストーリーを進めることで新たな土地で新たな材料を入手できるようになり、新たなレシピに挑めるようになるわけです。
なので錬金術に夢中になってしまっても心配無用!
ほどよい自由度にほどよいシステムのサポート。プレイヤーを意識したとてもよい作りです。

中盤以降にもなると装備やコアアイテムにつける特性を厳選し、高い品質を確保するようになっていくと思うのですが、厳選しすぎると材料不足に陥るんですよね。そして材料の採集に赴かざるを得なくなり、更に採集した材料の特性厳選と品質の確保・・・・二度手間三度手間どころの話ではなく、間違いなく飽きます。
それを防ぐために中間素材や完成品のコピーが出来るようになります。もちろん代価は必要ですが・・・ほら、錬金術は等価交換って言いますしね?
誰がミジンコドチビだ。

このコピーシステムが非常に優秀で、特に同じ中間素材が必要になる装備品、コアアイテムなどはコピーされた中間素材を頼りに調合していくことになります。もちろん品質、特性もコピー出来ますので厳選された特性のHQ素材を惜しみなく注ぎ込むことが出来ます。
至れり尽くせりですなぁ。

ライザにはキャラレベルの他に錬金術レベルが設定されており、アイテムレベルの参照になったり調合の回数に影響しています。錬金術レベルが高くなると高いレベルのアイテム調合に挑めたり、レシピのルート材料を多く投入できるので中和剤など基本レシピでも低レベルの時よりも高い品質、能力を持ったアイテムを作れるようになるわけですね。
品質においてはレシピルートに高める項目もあるのですが、採取地によって材料が本来持っている品質値も違ってきます。当然ストーリーで進んだ先だと品質値が高くなります。まあこの辺はゲームとしては当然なのですが、この品質値、クエストで要求される製品に関係するばかりでなく装備品やコアアイテムのステータスにダイレクトに反映されています。もちろん品質が高いほど能力の補正が大きく働きます。
と言っても私は品質はあんまり気にしませんでしたけどね・・・

ほどほどに終わらせることも、やりこみで極めることも可能。更にクリア後解放されるレシピもある。こんな素晴らしいシステムが賞賛されないのはおかしいと思うわけですよ。物作りRPGここに極まれりって所ですか。
それを差し置いてキャラばかり評価されるのもなんだかな。

RPGではありますが、主役はこの錬金術。だからラスボス的な奴もただの通過点です。最後に解決するのもライザの錬金術。ブレないのは素晴らしいですね。

だがここはイケてない。

ライザのアトリエのすばらしさは何もゲームシステムだけではないんです。景色は美しいしバトルは採取の阻害にならないよう単純克つ退屈しないように作られています。

・・・・まあ退屈しないのは最初だけですね。一応バトルモードでオートバトルをノーマル、アグレッシブと切り替えることが出来ますが、雑魚戦はやや作業感が強くなります。
後半くらいに覚えるFATAL DRIVEも威力のわりにリスクが大きいのは問題だと思いますね。味方がFATALなのか。
ボスともなると「HPが高い敵をブレイク(無防備)させて一気にたたみ込む」戦闘がしづらく、長期戦になるので味方の誰かが必ずブレイクします。
味方のブレイクから守るのが、ブレイク値とHPに秀でたレント、いわば盾の役割なのですが如何せん彼のスキルには敵のタゲを取るものがない。木偶の坊ですよ木偶の坊。その筋肉は飾りか。

 

フィールドも美しいんだけど、ショートカットが出来ない。目と鼻の先なのに遠回りしなければいけない。なんのためのジャンプですか森の奥の切り株の舞台に登るためだけですかそうですか。乳揺れがなんぼのもんじゃい。


そしてライザのスタート地点となる町は恐怖の蝋人形タウン。みんな動かない。酒場で腕相撲に興じてる男性も動かない。ずっと手を繋いでるだけか。好きなんか?
とあるレビューでは町まで制作が間に合わなかったのではと予想されていましたがなるほど、そんな感じですね。だったらパッチ当ててくれよ。

そのパッチで導入されたフォトモードと「ぷにといっしょ」。フォトモードはフォトコンのために導入されたシステムのようですが、表情は変えられない、キャラの角度も変えられない。出来る表現も限られるのでフォトコンも似たり寄ったりで個性が感じられなかったです。
同じフォトモードでもアストラルチェインは本格的なものだったのでかなり不満がありますね。
「ぷにといっしょ」はなんだアレ。ファン用コンテンツか。かわいいけど。
餌によってステータスと容姿が変化し、持ってくる材料も変わるが基本ランダム。3回ほどやって飽きました。そのリソースで別の物を作った方がよかったろうに。

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フォトコンに応募した作品。発表まだ?

他にも今作の目玉採取地調合がとても興味深かったのですが仕様が明らかにやり込み向けですね。ストーリーに沿っただけだと採取地レベルとこちらが欲しい材料の品質が釣り合わない。こちらが終盤にさしかかってるのに手に入る材料の品質が低レベル地域同等だったりするんですよ。バランス調整不足ですかね。

他にも風の精の靴。アレはもうちょっと早く解放してもよかったのではと思います。レシピ解放されるのは終盤なんですよ。しかも風の精の靴の能力を持った探索セットも同時に解放。ただの中間素材やないかい。

導線やシステムは凄く丁寧なのにこう言う調整不足を感じられるのはやはり納期とかその辺なんですかねえ。

ストーリーに関しては何も語りますまい。未プレイの人は是非。
ひとつ言っておくと嫌われ者の位置にあるキャラに人間味があるのはとてもよい。よいです。